イラストレーターデータを軽くする方法
ポスター印刷のプリオ・データ処理チームです。
本記事ではイラストレーター(Adobe Illustrator)のデータが重くなる原因と
重くならない対処方法、軽くする方法をご紹介していきます。
目次
どのような状況を『重い』と言うのか
- ソフトの動作が遅い
- データの保存に時間がかかる
- データを開くときに時間がかかる(開かない)
- 入稿(アップロード)に時間がかかる
- データ容量が1GB以上
上記のような状態をプリオでは『重い』と表現しています。
『重い』データに潜む危険とは
- 作業自体に時間がかかりすぎてしまう
- 入稿(アップロード)やダウンロードの際中でデータ破損することがある
- 破損により、再入稿が必要になったり印刷が間に合わないことがある
お客さまが『重い』と感じるデータはプリオでも同様に重いのです。
重すぎるデータは”不備のあるデータ”となり再入稿をお願いしています。
「せっかく入稿したのに」「締め切りに間に合わせたのに」と感じるかもしれませんが
重い入稿データは印刷にかけられないため再入稿をいただく他ありません。
そんな事態を避けるためにも、重いと感じたら以下の原因と対処法をご確認ください。
aiデータが重くなる原因と対処方法
- 1GBを越えてしまう
- 編集中の動作が遅くてストレス
- 今後のために、重くならないデータづくりをしたい
そんな方は以下より当てはまる箇所がないか、ご確認の上お試しください。
必要のないものは削除する
不必要なものが容量を重くする要因になっていることがあります。
入稿データには印刷に必要なものだけ残しましょう。
レイヤー
「すべてのレイヤーを結合」してレイヤーを1つにするか、
デザインとカットラインのレイヤー2つにすることをおすすめします。
非表示レイヤーは、印刷には不要なので削除しましょう。
プリオのテンプレートをご使用いただくと安心です。
スウォッチ
大量にスウォッチがあるとデータが重くなる場合があります。
スウォッチパネルメニュー→「未使用項目を選択」→「ゴミ箱」 で削除しましょう。
アートボード
必要以上にアートボードがあると、エラーの原因にも繋がります。
「ドキュメント設定」→「アートボードを編集」→BackSpaceかDelete で削除しましょう。
オブジェクト
デザインに使用したパーツや、アウトライン化させる前の文字など、
データ作成段階に使用した様々な要素も削除しましょう。
描画エリア外にオブジェクトがある
稀に、描画エリア(↑濃い灰色のエリア)の外にオブジェクトがあるせいで
Illustratorの動作が遅くなることがあります。
ズームアウト(ショートカットキー「Ctrl+-」)してオブジェクトが残っていないか確認してください。
画像を最適な状態にする
画像を「リンク」配置にする(埋め込まない)
画像を埋め込むと容量が大きくなります。
リンク配置にすることで画像データが外部参照となり、容量が軽くなります。
ただし・・・
- リンクデータの名前を変更してしまいリンク切れになる
- リンクデータの入稿を忘れる
- Illustratorとリンクデータのカラーモードが異なり、イメージと違う色に仕上がる
という危険性を孕んでいるいるためプリオでは埋め込みを推奨いたします。
関連:イラストレーターでデータ作成!リンクと埋め込みの違いを解説
適切な解像度・サイズにする
配置画像が必要以上に高解像度のままだと容量が大きくなります。
250dpi程度を目安に調整し、必要以上に高い解像度のデータを使わないようにしましょう。
画像編集ソフト(Photoshop等)で、使用するサイズに合わせてトリミングやリサイズを行ってから配置すると効果的です。
画像形式を最適化する
あまりにもデータが重いと感じる場合には、リンク画像の形式を変更するなども検討してください。
例えばJPEG形式であれば容量を抑えることができます。(画質は劣化する可能性があるため注意が必要です)
パスを最適な状態にする
アンカーポイントを減らす
必要以上にアンカーポイントが多いと、Illustratorの動作が遅くなることがあります。
右クリック→単純化 で、パスのアンカーポイントをシンプルにしましょう。
また、カットラインであれば、ペンツールで不必要なポイントを削除して緩やかなラインに調整することで
カットもきれいな仕上がりになるのでおすすめです。
1枚の画像にする
ラスタライズ
複雑なオブジェクトは、Illustratorへの負担だけでなく印刷エラーにも繋がりやすくなります。
下記手順でラスタライズをお試しください。
1)「オブジェクト」→「ラスタライズ」を選択
2)各種設定を確認する
①カラーモード:作成しているカラーモードに合わせて、RGBまたはCMYKを選択
②解像度:その他 250ppi
③背景:透明
④アンチエイリアス:輪郭の処理が変わります。お好みでご選択ください。
- なし…エッジがギザギザになりやすいですが、小さな文字をくっきり再現したい場合におすすめです。見た目が少し荒くなる可能性があるため、注意が必要です。
- アートに最適(スーパーサンプリング)…イラストや写真など、グラデーションを含む画像の輪郭を滑らかに再現したい場合におすすめです。ロゴ、イラスト、文字が混在している場合は、こちらがおすすめです。
- 文字に最適(ヒント)…文字の輪郭をよりくっきりさせたい場合におすすめです。イラストの細かい部分やグラデーション境界がやや不自然になることもあるので注意が必要です。
⑤特色を保持:チェックを外す(プリオでは特色に対応しておりません)
3)「OK」のボタンをクリックでラスタライズ完了
ラスタライズ後は、デザインにくずれが生じていないか確認を忘れずに。
面付けをしない
横断幕や大判ポスターは面付けしない
1mを超えるような大判サイズは重くなるため面付けを推奨いたしません。
データは面付けせずに、1つ1つ作成・保存することをおすすめします。
別名保存する
編集用と印刷用データを分けて管理する
編集と上書き保存を繰り返していると編集情報が蓄積されて容量が大きくなる、
ということがあるようです。
デザインが完成したら、別名保存で印刷用データを新規保存してみてください。
人からもらったデータはどの程度編集が重ねられているか把握しづらく、「特に問題は見当たらないのになぜか重い…」という場合にはこういった要因を疑ってみてください。
PDFで保存する (オススメ!)
ai形式での保存に比べてデータ容量が軽量化されることが多く、
プリオでの印刷においても最もトラブルになりにくいのがPDF形式です。
以下の手順で保存をお試しください。
1)「ファイル」→「別名で保存」を選択
2)ファイル形式から「Adobe PDF」を選択して保存をクリック
3)開いたウインドウメニューの一番上「Adobe PDFプリセット」の中から【高品質印刷】を選択、
「オプション」の項目から【Illustratorの編集機能を保持】【Web表示用に最適化】のチェックを外す
4)「PDFを保存」のボタンをクリックで完了
この設定は、ai形式で入稿いただいた場合の印刷と結果は何ら変わりありません。
容量も軽くなり、作業時間の短縮やスムーズなデータ入稿に繋がります。
保存したPDFは一度開いて、必ず確認してからご入稿ください。
プリオへの入稿はPDFがオススメです!
関連:【Illustratorでデータ作成】PDFファイルで保存すると色味が変わる!?
毎日ソフトに触れている私たちでも、Adobe Illustratorについてわからないことはたくさんあります。
有益な情報がわかり次第、更新していきますのでどうぞお楽しみに。
皆さまのスムーズなデータ作成、データ入稿を応援しています!
ポスター、パネル印刷のご依頼はプリオまで☺