2020.04.18社員ブログ

連続するか分からない小説「はまぐり」第五話

【第五話】

期待感を高めながら購入したものを二人で持ち帰り、いざパッケージから取り出すと、

「あれ、なんか、薄くね?」

ぎゅーっと圧縮されたマットレスが出てきた。

「時間が経ったら膨らむって、きっと。」

若干の不安を抱きながら、私達は食材の購入をしに、もう一度アピタに戻った。

夜ご飯として買った、iPad miniぐらい巨大なチキンカツにワクワクしながら帰ると、
部屋にはちょっと厚めのはんぺんみたいなのが、だらしな~い感じで寝そべっていた。

「たしかに、さっきよりは、膨らんだ、かな?」

「うん、ちょっと試しに寝そべってみよう」

おやおや。まるで床に寝ているようだ。

ネットで口コミを調べてみると、

「体の大きい方には不向きです。」

との言葉が。

そうなのです。
低反発マットレスは体重が重かったり、体が大きい人には、
マットレス自体が沈んでしまい、体が床についてしまうのです。

それはもう、床で直接寝るのとほぼ同じ。
絶対に避けたかった選択を、自ら選んでいたとは。

すぐさまアピタに返品の相談に行ったが、
担当の店員さんには「一度開封したものは返品できないんです・・・」と言われてしまった。

じ、じゃあ、開封しないでどうやって試すんだよおっ!!!!!!

と、思っても直接言えないのが、私達です。

その日はすごすごと引き返し、
案の定、上質な睡眠が出来ず、身体がバキバキになる夜を何日か我慢した後、
今は、分厚いマットレスで十分に睡眠がとれているとさ。

つづく・・・

 

これは、印刷会社で働いている東京生まれ東京育ちの夫婦が、
とあるプロジェクトをきっかけに、
三重県桑名市で奮闘する、多分ハートフルなお話です。